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頼むからもうちょっと注意して生きてくれ「伝染歌」

AKB48 映画

私が弱いジャンル。それは街モノと思春期モノ。往々にしてこれは重なる部分があるのだが、最近だとホーリーランドがよかった。で、今回見たのが「伝染歌」。私はAKB48というものをほぼ知らなかった。でもこれはなかなか楽しめる。

映画自体は、セリフだったり、撮り方だったりと、いろんなやり方をこねくり回している。だから、ホラーというよりもプロパガンダに近い。メディア批判をはじめとした社会へのアンチテーゼが押し出されている。正直、サブカル臭きっつい。でも嫌いじゃない(みんなが「いやだ」「つまらない」「まだ10分かよ」と吐き捨てるからそれに抵抗しているともいえる)。ほかの理由といえば、たぶん演者たちが飛躍思想の塊だからだ。私自身が面接で連敗を期すほどの飛躍思想の持ち主のため、この演者たちを正直笑えない。むしろ、いとおしくさえある。別に論理的に物事がつながっていかないなんて、映画においてたくさんある。飛べる(カットできる)から、映画でもある。この映画の場合はただ、その飛んでいく先のセンスがいかがなものか、というだけだ。冒頭20分くらいが唐突というか電波に見えるという。でもよく考えれば、説明がある学園生活のほうがよっぽど不自然だ。それは“映画です”というマーカーだが、おそらくこの映画ではそれはいらない。「私、走る。もう絶対逃げない」を見せたいわけでもみたいわけでもない。結果、突然日常に切り込んだらあれですという不親切なカタチとなった。言うならば、そこに入れるか入れないかでこの映画にノッていけるかどうか決まってしまう。「なんだこれは」と一度思うとその考えを修正するのは難しい。私がアイドルヲタだからかもしれないが、笑っちゃうところもあったし、日常に即さないよくわからないセリフは好みだった。



●[アイドル]AKB48と自殺
いろいろ見ていると、自殺を扱うのはAKB48のテーマのような気がしてきた。

「軽蔑していた愛情」「スカート、ひらり」「制服が邪魔をする」。どれも死に近い瞬間に触れている。“刹那”を扱うアイドルAKB48。ジョシコウセイというはかなく甘い響き。でもそんなこと当事者はさほど気にしない。周りによって自分のブランド力は高められていく。これを自覚した瞬間にあざとさが生まれる。でもそのあざとさはエロい。自我が揺らいでいく様は興味深い。若い時はとりわけ死ぬことを考える。AKBは制服というキービジュアルで輝く一瞬の過ごし方に無駄がないなと思った。私は制服も中学で脱ぎ捨てたし、もったいないことしたなぁと思う。考えれば制服はもう着れない。意地を張らない方がいい。とりあえず制服は着ておけ。