170.4cm「渋谷区円山町」


■「渋谷区円山町」(2007)

渋谷区円山町 [DVD]

渋谷区円山町 [DVD]


榮倉様×マキダイ(EXILE)
仲 里依紗×原 裕美子
オムニバス作品


「憧れが恋になってなにが悪いんだよ」って開き直りはよくあるけど、その気持ち、生半可には踏み切れないと思う。私も中学生の時理科の先生に憧れていて、とりあえず成績良くしてやろうと机に向かったが、その横で同級生が早々に告白していたのを耳にした時、複雑な気持ちだった。(というか質問聞きにいきすぎだろう阿呆、って。)その行動力たるや若人の証!榮倉様の横暴みたいな積極さはかわいいけど、榮倉様だからかな。たぶん、その子だった場合、かわいいと思えない。つか笑えない。


マキダイ(先生)の肉体を含めた生々しさがよかった。そうだこんな感じ。こんなの。
ただの生徒でも女を舐めるなと言わんばかりの榮倉様の一挙手一投足。先生(マキダイ)が円山町で元カノ(と彼氏)にあってしまった時、榮倉様(加藤)はとっさに「ヒロユキの元カノってババァじゃん」と放ち、振り返らずにホテルに入る。本能めいたコトバ。ゆえにささるコトバ。罵倒だけで終わらない何か。元カノという先生のナイーブな部分にいつしか女として触れた時、先生は男の人になってしまう。やさしいひとでも男の人は迫力がある。迫力がなくなったらダメだと思う。そしてなにより、その後のはっとした先生がよい。よいよい。とってもよい。


お決まりのような夕日を背にしたホース浴びのシーンも夕日が差し込むたびに反射で二人が見えなくなって、そのうちひとつにみえたりもする。先生に「またお前か」って言われるのがいい。とっても。飽きれた表情とため息混じりの下がり調子。色気がだだもれ。いま、榮倉様にはまりかけ。なんっつても170cm越えだし。


仲 里依紗と原裕美子の方は白昼堂々と渋谷のスクランブル交差点で手をつないじゃうような女の友情についての話で私はむしろこっちにはまるものなんだろうけど、それよりいじめっ子役の吉高由里子に目がいってしまう。それでも、覚えのあるような深夜徘徊で、言葉数がなくなってストリートの兄ちゃんの音楽がクローズアップされたように感じる一連は身につまされる。そして誰でも目につくであろうことは原さんがかっこいいということ。モデル体型の彼女がちゃんぽんのオトココトバを使うかっこよさ。「ださいのな」とかそんなの。昨今は安易にキスしたりする感じになってるこの百合ブーム。たぶんわかりあえたときの距離が急速に近づくだけな女の子だけど、実際そんなに近くないよ。そんな感じになる人は決まってるともいえるけど。ちがう、そうじゃなくて、要約すると、ライフの羽鳥さんと歩だった。