次世代の代弁者、小山田壮平。「ファンファーレと熱狂」[andymori]

ファンファーレと熱狂

ファンファーレと熱狂

andymori*1
実は人気出てきてこれ以上だとチケットとれなくなって、あんまり紹介したくないですねーでも素晴らしい音楽はひろくひろーく共有されるのが素敵な音楽の輪!ということで、巷で噂のandymori


カニバリズムとダンシングガール
待ち合わせは高円寺
名前なんかない猫と行く
                  「CITY LIGHTS」

世界で一番お前が正しいんだよって俺が歌ってやる
みんなの前で
                  「クレイジークレイマー」

あのこはいつもいつもいつもの笑顔で素敵です眩しいです
家には寝たきりのママとアルコール漬けの男がいるんです
                  「僕がハクビシンだったら」

国旗に包まれたラブリーブラザー
国歌とソウルシンガーとファンファーレ
踊ろう夜明けまでGod Bless America
                  「バグダッドのボディーカウント」

5限が終わるのを待ってたわけもわからないまま
椅子取りゲームへの手続きはまるで永遠のようなんだ
                  「1984」


なんとイノセントな。イノセントは無垢や無邪気といった意味だが、どこか恐ろしい言葉だ。そういう質感がこのバンドにはある。無邪気な音の中に美しい危うさと不条理に対する憤り、または諦観、表現することの必然と拭いきれない停滞感と外へ発揮することのない熱さと頑固なまでの意思と死んでいるみたいな生とその逆、当たり前の虚無を織り交ぜた混沌世界に満ちた結晶。「世界で一番お前が正しいんだよって俺が歌ってやる」と歌った『クレイジークレイマー』は仲の良い友人のことを歌っているという。正確に言うと「仲の良かった」友人。「彼ふっと死んでしまったから、重い歌になっちゃったんですよね。」そんな調子で語られる美談だか悲劇だかの実話の端々からも、妙に冷静な視点を獲得している彼が浮かび上がる。1984年生まれ。小山田壮平。とにかく凄い。凄い人出てきた。これは何をどこへぶつけていいのか分からない虚無を喰らってデカくなったデジタル世代の若者みんなきけばいいんだ!ロックンロールってこういう勢いのことではないか。もしかしたら10年代のミスチルはこんな感じなのかもしれない。


からっぽを食って熱を持て余す若者よ、とにかくandymoriを耳に突っ込め!


「16」って曲がいいんだ。きっとPerfumeでいうとPSPSやwonder2みたいな多幸感溢れる曲。

約束ばかりが増えて行く
空っぽの空の向こうに
どこにも行けない彼女たち
駅の改札を出たり入ったり
かわれない明日を許しながら
なんとなく嘘を吐くのさ
16のリズムで空をゆく。
かわいくなれない性格で
全然違うことを考えながら
やさしいんだねって嘘をつくのさ

               andymori / 「16」