やっぱり、これが好き。ペプシNEXのCMで描かれるPerfume。

ああ、仕事が大きい。
そして仕事の完成度が高い。

Perfumeの凄さはできるトップビジネスマンへの憧れとかそういうフェーズになってきていると思います。自己啓発的な。だから、面白さが完成されていて、妙に安心感があるというかヲタがわざわざ掘り起こし発見しなくてもよい面白さ、平たく言えば普遍?になってきています。それが悪いわけではなくて、ヲタの毛色が変化していくだけということです。「アイドルではない」とここかしこで目にするのはそれが所以かもしれません。

だからこんな状態でも、本人達のキャラクターや関係性が全く変わらないということが、いかに奇跡的かということを大きな仕事を一緒にするようになったクリエイターさんたちは強調するのではないでしょうか。例えば東京事変の「キラーチューン」や安室ちゃんの「New LOOK」や RIPSLYMEの「I.N.G」やUNIQLOCKを撮ったりしている監督・児玉祐一さんは「ナチュラルに恋して」を撮る時にこう言っています。

「3人で腕を組んで歩いてるところが、今回一番最初にイメージしたシーンでした。いつまでも、どんな時でも3人で立ち向かえばとにかく大丈夫。ですよ。」*1


もっといえばその強調はクリエイティブ魂に火をつけるのでしょう。なにも歌が絶世にうまいとか美貌が恐ろしいことになっているとかその発想神がかってる!という突飛な才能だけが、魂に訴えかける芸術ではないということを教えてくれます。

今回のペプシNEXの監督は辻川幸一郎さん*2ということですが、最後にトライアングルのマークが出てきます。あれは彼女たちの「トライアングル」というアルバムでも使われその後の「直角二等辺三角形ツアー」でも使用された2009年を代表するPerfumeのシンボルです。そして、3人の関係性の表れでもあります。

「この3人は、三角形のように誰かが頂点にいるんじゃなくて、みんなで支え合ってPerfumeを作ってるから直角二等辺三角形って意味もあるって。」(あ〜ちゃん)*3


これを踏まえてトライアングルを使用しているという事だと思います。(というか事務所の提案がもしあったとしても、)監督はヲタだと言いたい。よくわからないですが、商業色の強い現場で仕事をバリバリこなすクリエイターさん達は愛に飢えているのでしょうか。彼女たちの関係性を必ず表現してきます。しかし、ヲタは結局それに心打たれるのです。彼女たちのベースはストイックですが、外側は衒いもなく等身大に振舞います。しかし知ってか知らずか、あの関係性という目に見えないものを提供しつづけるからこそ芸術家とでもいわんばかりにそれは供給され続け、がっちりと届くのです。


状況が変わり続け、ステージを登り続けるけれど、3人の関係性は変わらずにしかも輝き続ける。飽きのこない味。なるほど。ペプシネックスはそれを表現したかったのでしょうか。

I can't care 'bout anything but you.

■特設サイト
http://www.pepsi.co.jp/menu.html

*1:TV Bros.4/17-4/30号

*2:CorneliusのほとんどのPVを担当

*3:http://www.barks.jp/news/?id=1000050891