いとしくてせつなくてどうにもできなくて

とある方の記事をみて、ひどく心がざわつきました。なんなのかわからないけれどまとめておきたい。それは日記の本来の性分に合っている気がしたのでこの際ほぼデリートせずに書いてみようと思います。


まず私はいまPerfumeをおもしろがれなくなってきている。それはずばりアイドル性に欠けるからです。じゃあアイドル性ってなんなんだろう。そう考えた時、トップを走る王者のことを考えるのは避けられませんでした。結局芋づる式にここ3年くらいの状況がずるずると出てきてしまいましたので記します。ここ3年くらいでアイドル界の磁場は急速に揺らいでいます。これは一体何なんでしょう。答えは大人がアイドルというお得な市場をみつけてしまったんだと思います。そう、アニメをみつけてしまった時のように。

”オシャレ”なPerfumeは握手会をやめにしました。ポリリズムが最後ですからそれが、2007年。AKBがキングレコードに移籍して握手会を急加速度でぶらさげ出したのが2008年。ももいろクロ―バーの結成が2008年。それ以降ぶっこんでくるかのように東京女子流ぱすぽ☆アイドリング!!!、トマパイのメンバーチェンジ、アイドル好きばかりで構成されているスパガ、KARA&少女時代の日本デビュー、そして9nineの過去抹消、ついには娘。の 9期オーディションと浮き沈みが後を絶えません。ハロプロはついにスマイレージというオタクで現代っ子体型で歌って踊れて物怖じしないという賢い偶像をぶっこんできました。そしてアニメから「けいおん」がまるで居るかのようにチャートを独占し、声優でありながら顔を出すスフィアはもうアイドル扱い。

わけがわからなくなっている。そんな一面を隠すかのように掟ポルシェさん界隈はバニラビーンズを擁護し続けるのです。あまりの速さで勃興するアンダーグラウンド文化の掘り起こしにガクガク悪寒が止まらないとばかりに。リサさんにサブカルを吸い込ませて地下に押し込んだままにし安堵を得るのです。しかしそれは双方向性万歳なインターネットの網にすぐ捉えられてしまうのです。

ここまで全てがアイドルと呼ばれています。
さあ、アイドルというのは一体何なんでしょう。

私は「かわいい」ものだと思います。
目が離せないほどのかわいさだと思います。目が離せないというのは究極の人間観察です。対象について多くを語りたくなるものだと思います。それを愛だと私たちは呼んできたのではないでしょうか。一方的に贈るものです。でも、ファンは双方向性を求めました。そしてアイドルは双方向性を可能にしました。無数の源流であるオタクからのマーケティングは大成功して、とってもよいものがたくさんできました。満足度と言う意味で作品の質が高いのです。つまり質が高いから、多くの人に「理解されやすいもの」ができていったのではないか。よりキャッチーな革新商材の誕生です。しかしそれはアイドルである必要性はまるでなく、別にスポーツでも何でもよかったのです。そこに私はもやもやしたものを感じます。運命や必然性というものがとりわけ愛しいからです。

オタクとファンの違いは何なんでしょう。
かわいいという言葉に憎しみも含んでいるのがオタクでしょうか。何故かは問いませんそれが愛だから、というより他ありません。どちらがいいとかわるいとかじゃなくて両者が住み心地よく共存していくのがとても難しいという話です。どんな世界でもそんな話ばっかりです。でもそれがいまの状況だとしたら、アイドルの定義はやっと流動的なものになったんじゃないでしょうか。

だから、わからないから現在を楽しみ続けるより他にないのです。用意されたプロデュースという名の必然が、いつぞやパンドラの箱を開けてしまう偶然へ流れていくとしても、運命を自分の手で変えて行く、アイドルはいつだってそうでした。どんなに楽しくなさそうなことも喜びに変えて笑顔を創造するプロでした。時に道化て、時に精一杯、涙するのです。それは“現在”に集中し続けることの証です。だから現在あることを楽しむ。掛け声だって一部である音を、目線の先を、きらめく青春の匂いを、てのひらの感触を。それがアイドルに出会って気づけた一番きゅんとする感情でした。私はかわいいものが大好きです。かわいさを楽しめなくなった時私の中でアイドルが終焉するのです。だから今一度。かわいいは正義かわいいは正義!永遠のその先。


きみのことが好きだから
君と会えたそのことだけで温かい気持ちでいっぱいになる



いとしくて せつなくて どうにもできなくて
いとしくて せつなくて 僕は苦しい
好きだ 好きだ 好きだ
君の事が ああ 本当は好きだ


みせてくれるものは変わってない。ステージが変わっていくことは周りの景色が変わっていくことで、でもそれを変わったと受け取ることもできる。わたしはその狭間で未だ揺れているような気がします。もしかしたら、このまま揺れ続けるのかもしれません。でも、それも楽しいって思える日がくるまでただひたすらに、『走れ!』


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