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In your position set!

AKB48 ハロプロ

私はこの間、ふとした拍子にハロプロのライブ映像を見返してしまうという回顧主義を発令しました。それはそれはそれは、素晴らしかったのです。

ハロプロのパフォーマンスの何が素晴らしいかと言えば、その七色の「表情」です。私はAKBの踊りもフォーメーションも勿論好きですが、どこか物足りなさを覚え、それがいつまでも拭えませんでした。なぜかといえば、パフォーマンスに「あそび」があまりないからです。
AKBのステージはパフォーマンスというか振り付け、ダンスとして凄く美しかったり可愛かったりかっこよかったりするけれど、エンターテイメントではないんじゃないかと感じるようになりました。表情にあそびのある全力力が足りない。

ハロプロは凄いですよ。ほら。

いや、これは単に私の好みですが、普通にこんなに多幸感溢れた表情を全員がぶちかましてくるのがハロプロです。あと歌がうまい。本当に、超絶うまい。優に聞き分けられる。聴き惚れる。

なぜAKBと差異が生まれるか考えてみたのです。そこではたとぶち当たりました。これは「意味」が分からないからだ、と。つまりつんくの書く歌詞というのは抽象的で、(例えば「最高茶葉豊作でね」とか、そこに具体的なエピソードが挿入されていようともそれすら、)ラリパッパで意味がわからない。でも、それだからこそ、あれだけメンバーによって多様な解釈、しいては各々「振り切れる」という表現に至るんじゃないかと思ったのです。それに比べてAKBはあの秋元康ですから、詞世界がガッチガチに組みこまれている。生への執着だったり、性の儚さだったり、オタとアイドルの距離だったり、現代病だったり、ゲーム脳だったり、ガチレズだったり、とその世界観はひとつの作品として閉じられています。だから、その作られた詞世界を最大に表現したとして、そこまでなのです。与えられた役を演じるという舞台で、女優である大島優子さんがズバ抜けて見えるのはそういう訳なんじゃないでしょうか。非常に演劇的。しかし意味の分からない歌詞で聞き手に脳内補完してもらうようなハロプロにはそれを優に超えて行くパフォーマンスがあるのです。決して演じている訳じゃなくて、なんていうのか本人達でも予測のつかない扉を曲ごとにつぎつぎ解放していくようなワクワク感に溢れているのです。

こいつにぁーとことん魅了されます。これは恐らくPerfumeにも通底するのですが、歌詞が抽象的というのは表現する側にとって、とても大切な要素だと思います。あと、ハロプロは余裕で素敵に和を乱します。AKBのそれは絶対的な団結力であって、勝手なことをする人はやっぱりそれなりに淘汰されるのです。だいたいみんな仲が良いというのも、たかみなキャプテンをみていればあながち嘘ではないと思います。しかしハロプロは最初っから勝手をやらかすのです。だから意思統一やまとまりには欠けるのかもしれないけれど、その分振り幅がでかい。なにしでかすか分からない。



だから「浪漫」のはじまり、だって別に笑っていいのです。勿論シリアスでもいいんだよ、さゆ。ほとんどの曲に両方内蔵されているのがハロプロ



そいうこと感じているさなかAKBの新曲「Beginner」が発売されました。
これはおもしろい。中島哲也監督の創ったMVもさることながら何と言ってもフォーメーションが6パターンもあるのです。それは選抜メンバーの外仕事が忙しいゆえの打開策だと思うのですが、これが曲の表情をコロコロと変え、何度も何度も発見を提供してくれます。高橋みなみさんが「In your position set!」とサインと掛け声をかけた瞬間にフォーメーションが決定されます。さあ、ショーのはじまりはじまり。

Beginnerのフォーメーションについて一時停止を繰り返して考えてみたところ、詳しくはまだ2パターンしかみれていませんが、基本的に高橋・前田・大島・篠田・板野・渡辺の5人が前線を張り、トップ下に松井J、河西・峯岸をボランチとして中盤に置き、松井Rと柏木が横をひろくしかけ攻撃の起点をつくる。サイドバックの小嶋・宮澤はいつでも駆けあがる体制で、守護神のように後ろを守る高城と、なにかと使いやすい研究生あがりの北原・指原で出来ています。フォーメーションによって多少変動はありますが結構グループによってまとまりながら動いています。

で、この曲のTV収録がどれも素晴らしい。振りきれているのです。トップ5+JRも凄いですが、小嶋さんはあんなに動けたんだと感動すら覚え、河西さんの静止画は全くブレなくエロく、宮澤さんに至ってはジャニーズそのものです。峯岸さんの後列でも目立つメガネキャラは間違いなく尺をもってき、柏木さんのすらっとした指先にはめられた指輪が嗜虐的で、指原はいつもどおり写りこみという緊張感を与え、私は特に北原里英の特有の全力力が見逃せませんが、すいません、今回は小森です。前田敦子さんのアンダーとして出た小森さんです。それが前回ヘビロテの時にも起こった篠田麻里子のアンダーとして出た仲川はるごんさんが何週間もずっとお茶の間を席巻!みたいな珍事件になっています。


■珍獣にもってかれた板野友美ver.
現在2週目に突入。小森の踊りには血が通っている人間を感じません。それが村に伝わる生贄にささげる踊りみたいな変な魅力を醸し出します。バレエをやっていたから下手ではないでもなんか変です。こういう人がいてもいいと思いますし、こういう人がやがて振り幅をAKBに注入するいわば落第点的な人材なんじゃないでしょうか。


そして、もう一点付け加えたいのが、恐らくハロヲタのみなさんの間でも有名な佐藤すみれさんです。Happy8期・光井愛佳オーデの時に「オトメロディー」を歌いお茶の間を爆笑に誘った、すーめろでぃーこと佐藤すみれさんです。彼女がじゃんけんで倒した篠田麻里子さんのアンダーとして出たCDTVに目を奪われました。

■正規メンが少ないからこその高橋みなみver.
http://v.youku.com/v_show/id_XMjE4OTg0OTIw.html

でかっっっっ。すーめろでかっ!熊井ちゃんまであと一歩です。公表は165cmとなっていますが、まだ16才ですから、168cmの篠田麻里子さんを追い抜くでしょう。ちなみに調べました。熊井ちゃんは176cmですか、すいません恐れ入りました。小森は163cmで柏木さんと一緒なのですが、デカイやつはとにかく目立ちます。とくにダンスが伸びて見えるのでキレがないように思えるのですが、その間延びした振りがどことなくオフビートな風合いで私は好きです。


■執念の前田敦子ver.
Mステverは全員揃った唯一の完全版です。全員の気迫が違う。あっちゃんが最後の力を振り絞って今にも倒れそうだ。Mステは唯一、松井玲奈さんがいます。ゲキカラをひきずって。「僕らに可能性があるんだ」その顔に背筋も凍る。


■禁断の果実と言われる篠田麻里子ver.
個人的に裏センター小嶋さんが見どころだと思っている。


■美しきフォーメーションの大島優子ver.
篠田(ほくろ)・小嶋のダブルを抱える北関東のヤンチャ娘が勇ましすぎる。萌乃ちゃんはロッカーの上でさぼってないで、この曲に入る人でしたがありありと分かる映像。支配された「鎖は」の優子さんに満島ひかりを見た。


これはAKBが提唱するガールズグループのカタチです。
それは「ガチ」であること。笑っていることよりもマジな顔しているほうがみんないきいきしているAKBっぽいのです。ん。あれ、それってジョンソンの、いや「サマーナイトタウン」の頃からハロプロの専売特許だったはずでは。時代は大きく変わっていくようで、その実バトンは受け継がれているのかもしれません。ハロプロの良さ、AKBの良さ、ともに両成敗ではないですが、どちらもどちらにしか出せない立派な「味」であることがこの「Beginner」両者を浮きだたせたのではないでしょうか。ハロプロもライブのポテンシャルをTVで出せればいいのに。


今が時だ。君は生まれ変わったBeginner。――「Beginner/AKB48
今からだって君は変われる。