3/31(土)15:30 「僕の太陽」公演

出演:
市川、加藤玲、川栄(大場ポジ)、竹内、田野(阿部ポジ)、仲俣、山内、伊豆田(正規ポジ:川栄)、島田→森川、中村→大森、永尾→サイード、小嶋(高橋)→佐々木、小林(田野)→平田、入山→武藤、藤田(岩田)→鈴木里
高橋朱里(島崎ポジ)体調不良のため休演
※15名での公演


この日はいわずもがな12期研究生、鈴木里香ちゃんの最後の公演でした。
秋元康氏も触れていましたが、前田敦子さんの卒業発表があった日の夜、里香ちゃんの辞退発表がトガブロに掲載されました。あまりのタイミングに私のTLは唖然となりました。この発表がどういうことなのか私にはわからなかったけれど、31日の「僕の太陽」公演の出演者に里香ちゃんとほとんどの12期生の名前があってかたまりを飲み込んだのを覚えています。すこし前、個別握手会をする再販の申し込みがない、という避けられない状況証拠がそろって、そんなものはするっと通り抜けてほしかったんですが、今回もいつもの例に漏れませんでした。里香ちゃんは3月31日をもってAKB48を辞退する。


この日は暴風雨で都内の電車が次々にストップした日でした。秋葉原を通る総武線もビニール袋が電線に引っ掛かかった影響で運転再開未定。私はそのアナウンスに2駅前でぶち当たりました。チケット購入の時間まで残り20分となっていて、振り替え輸送を使い猛ダッシュしてなんとかキャン待ちの列までに間に合いました。キャン待ちは番号関係なく全員入場。それでも定員に達してなかったと思います。


急いで駆けつけると、エスカレーターの途中からアイドルなんて呼ばないでの音が聞こえて、しまった?時間間違えた?もう始まってしまった!!と焦りました。すぐにそれがリハ中だと分かり、耳を澄ましてみると歌っているのはひらりーだということも分かりました。その後、チーム4に新しく昇格した12期の高橋朱里ちゃん(島崎ポジ)が体調不良で休演との呼びかけがあり、代役の発表はありませんでした。なるほど、だからひらりー。10分押しくらいで呼び出しが始まり、私は18順だったと思います。柱内側から3人の2列目に立ちました。思えばキャン待ち最後尾あたりにいて(丁度研究生の壁掛けのあたりです)一番最初に入場した団体さんは里香ちゃんの御家族だったのかなぁと思います。



公演は――

素敵な舞台でした。
“最後の”という背景はあれど、やっぱり舞台そのものに力を感じました。たくさんの公演をみているわけじゃない私が言うので、あまりに個人的な感想のひとつとして受け取ってもらえればよいのですが、私は確かにそこで濃密な時間を体験しました。演者であるメンバーがこの舞台を少しでもよりよいものにしようとする意気込みが伝わってくる公演で、終演直後に激しく脱力してしまい、そこで私は妙に緊張しながらみていたことに気付きました。強く惹きこまれて帰ってこれないというような、それだけ舞台に引力がありました。公演自体12月に入ったのを最後に3カ月以上経っていて、感覚すら忘れかけた頃でした。それも理由のひとつとして否定しません。


それでも、その日の舞台はひとつひとつの演目が力強く、頭の4曲と、それ以上に終盤の夕陽をみているか?からBINGOそして僕の太陽、ラストGIVE ME FIVEには濃密な空気がぎゅっとつまっていました。夕陽をみているか?では12期が一列に並ぶところがあります。田野ちゃんは頭を合わせてだいぶ長いこと里香ちゃんに何かを話しかけていました。ひらりーはさびしそうにじゃれついて猫のようだった。あのときシモテのサークルの時を止めたかった。別れを惜しむ気持ちと笑顔で送り出そうとする温かさゆえ、その一瞬が長いようにも感じたしなにより惜しかった。「夕陽をみているか?」は色んな場面で人に添うように歌われる曲なんだろう。だからかはわからないけれど、自然で柔和な笑顔をしてる。それが本当に美しかった。アンコール明けラストの曲、僕の太陽。Aメロ終わりの移動するところで、柱からひょっと現れたサイードの目が真っ赤だった。心臓がとまった。そのあと「君が世界のどこかで泣きながら 孤独に震えていたって 必ず僕が探す」のフレーズで眉尻を下げたゆかるんを目の前にして、もうみていられなくて、2番の「僕はいつも君のそばにいるよ もし世界中が敵に回っても 僕は味方さ」の歌詞を二人がひとつひとつ噛みしめるように歌いながら泣いていて、ああ大好きだったんだねとても好きだったんだね、が頭の中をガンガンこだました。思いが痛いくらい伝わってしょうがなかった。傍らりかちゃんはちょっと驚いた顔してたかもしれない。知らないうちにたくさん思いが募っていた、あの3人はそのことに自分で驚いているみたいにみえた。


最後に全員で整列のとき「どうしても」と体調不良で病院にいっていた朱里ちゃんが青い顔してステージ袖からひょこっと出てきて、だけど今にも倒れそうでふらふら。舞台は進行してそのままゆかるんが手紙を取り出す。それは、その日唯一12期生の中で、地元宮城のお仕事のためお休みした岩田華怜ちゃんからのお手紙でした。


「公演お疲れさま。今日は行けなくて本当にごめんなさい。自分でもすごい悔しいです。でもこの間話したとおり、今頃私は故郷宮城の『故郷まつり』を頑張っている頃だと思います。里香も『故郷を元気にすることが一番大事だよ』って励ましてくれてありがとう。里香とはオーディションに受かってから、私が不器用なのもあって、しばらくあんまりお互い打ち解けられなかったよね。でも里香の第一印象は「すごい笑顔が可愛い子だな」だったんだよ。オーディションとかでも、ずっと一人でストレッチしてた私に目があった瞬間ニコッとしてくれて、優しそうな子だなってずっと思ってた。そして、案の定話してみたら気も合うし、里香のことがもっと好きになったよ。いつも一緒に笑ってたよね。里香といるとすごい楽しかった。これから里香も自分の道を進むように、私もみんなも自分の道があると思う。でも私の大好きな12期はそれぐらいじゃ絆は揺るがないよ。12期はどこにいてもどんなときでも一緒に夢を追いかける仲間です。それを忘れずに里香も頑張ってね。大好きだよ、ありがとう

12期生 岩田華怜」


お手紙が読まれた時12期はそれぞれのそれぞれ過ごした時間を手繰り寄せてるみたいだった。ひらりーはそれまで我慢していた分、堰を切ったように涙をこぼしみゆぽんに体を預けていた。みゆぽんは笑顔の目の中にきらきらしたものを湛えていた。田野ちゃんはしばらくずっと天井を見続けていたけれど、こぼれないようにしてたのかもしれない。次から次に涙が出てくるサイードの背中はゆかるんがそっとおさえ、いずりなはぐしゃっと顔をくずして泣いていて、顔色ひとつ変えないあーやをよくよくみると頬に涙がつたっている。十夢ちゃんの鼻が赤いのは花粉症のせいとは思えなかった。華怜ちゃんのお手紙を読むBGMは「桜の木になろう」でした。


私は里香ちゃんの遠くまで突き抜ける「向日葵」をきいて、振り返らずススメ!と思った。里香ちゃんは終始気丈にみえました。どこでも笑顔を忘れてなかった。華怜ちゃんのお手紙が読まれるまでは。気丈にお手紙を読み上げていたゆかるんが「私の大好きな12期はそれぐらいじゃ絆は揺るがないよ」と読んだところで込み上げる涙につまって、それがうつるように里香ちゃんの涙がこぼれた。客席はアンコールからずっと里香ちゃんを呼び続けていて、その色んなことがちょっとずつ引鉄になるみたいに、里香ちゃんが最後の挨拶をする時、すこしだけ言い淀む。やめることをためらっているように、私にはみえた。



鈴木里香「12期研究生の鈴木里香です。今頭の中がすごい混乱してるんですけど……今この場に立っていてすごい卒業するのはなんか……でも自分が選んだ道は間違ってないと思いたいので、これからも夢を諦めたわけではないので、どこにいてもずっとよろしくお願いします」


だけど、彼女は「選んだ道は間違ってないと思いたい」強くそう言いました。望まないけど、これ以上続けても。むしろはっきり言ってもいい気がした。みんな今更なんだよ、そう言ってもいい気がしました。里香ちゃんの言葉のあと一番最初に声かけたのはしきりでもあった鈴蘭でした。「私もね、里香ちゃん初めて会ったときにすっごい笑顔で「鈴蘭さん大好きなんです」って言ってくれて、すっごい嬉しかったの。で、メールしたじゃん、一緒に写メ撮って。ありがとね」いつもの鈴蘭の笑顔に「ありがとうございます」と笑顔で返す里香ちゃん。みゆちゃんが最後に尋ねる「ひとつきいていい。里香ちゃんの夢ってなんですか?」


鈴木里香「将来の夢は女優さんなんですけど、どこにいても自分の夢を見失わないように走って行きたいと思います」


ああ、私は確かに光と影をみたよ。学業優先で辞めても、芸能の夢を諦めるわけじゃない子もいる。それをはっきり言う強さ怖さ。みゆちゃんも分かってて背中押したんじゃないだろうか。里香ちゃんの言葉を聞いていて48を名目上学業で辞めてく子たちを順に思いました。そして12期のやりとりを慈愛の目でみつめる美宥ちゃんやみおりんやりっちゃんをみて、ああ9期だって10期だって11期だって別れがあって、それを公演で送り出せたことは幾度あったんだろうなぁとも。


曲がすべて終わりいち早く里香ちゃんに駆け寄っていったのはやっぱりゆかるんで、その里香ちゃんと自分を結ぶ導線にいる誰かを押しのけるように早く早く側にいきたいみたいにみえた。いつのまにか舞台には12期しかいなくなって、自然と里香ちゃんを囲む。うっかりそのままはけてしまった十夢ちゃんも連れられて出てきて、自然と頭をつき合わして肩を組む12期。12期が一瞬一瞬を感じて今日の公演をしていたからすごく迫力を感じたのでしょうか。最後のGIVE ME FIVEを「友よ」と、ふり絞って歌うサイードとゆかるん。必死で友を送り出す二人が、里香ちゃんがここを離れること惜しむ気持ちとこれからの門出へ背中を押す力強さを体いっぱいにたたえていた。12期は全員で里香ちゃんを送り出したかったんだろうし、確かに送り出していた。


最後のハイタッチはりかちゃんを挟んで腰に手をかけてゆかるんとサイードが立っていて、それが三位一体なくらい近かったし、特にゆかるんは離したくないって感じがすごいした。うさぎ目の彼女たちを美しいと思った。かける言葉の重みを感じた。あのとき興奮していた私はなんて言ったろう記憶がない。


里香ちゃんのことは最初ゆかるんのモバメやモバイル日記、それから12期まわりのGoogle+でおもしろいこと考える子だなぁ、あと感覚がオシャレな子だなぁという認識でした。10月の「僕の太陽」公演に初出演した時、度々できていなくて夕陽を見ているか?で隣のなっつんに励まされていたこと、だけど向日葵の藤田パートの声は誰より強くてまっすぐできれいだなと感じたこと、その後年明けて観に行ったロビ観ではすっかり踊れていたこと、歌に磨きがかかっていた事。覚えています。言葉にして伝えたことはないし、お手紙でもない。ましてや12期のモバメゆかるんしかとったことないし、12期の公演も入ってない。誰と誰がどんな絆で結ばれているかもざっくりしかつかめてない予備知識も薄い。それでもこの公演からガンガン伝わってきた。公演自体の迫力を感じた。一人一人の細やかな思いがその矛先を同じとすると、こんな濃密な空間になるんだと思った。舞台がナマモノだとはっきり意識した日。「誰かのために 人は生きてる」の乱用には反対だけど、里香ちゃんのために舞台をつくった今日のメンバーに惜しみない拍手を贈りたい。何よりそれを笑顔で打ち返した里香ちゃんに惜しみない拍手を贈りたい。里香ちゃんが新しく力強く歩み出せるといい。興味関心好き嫌いに関わらず、そう願わずにはいられない公演だった。ありがとう。約1年間お疲れ様。またどこかであなたに会えるといい。






>>その他のメンバーで気になったところ。


鈴蘭とみおたといずりなのアイコンタクトはその日もたくさんのメンバーを励ましていたように思う。
『僕の太陽』のぱるるパートは美宥ちゃんが生で代わりに歌ってた。「悩んでいたって仕方なあいよ」それはまたかっこよく。「そんなこんなわけで」はあーや(島田ポジ)の相方不在でペアを1人で踊ってたのがすごく無機質で美しく、「僕ジュリ」では指が彫刻みたいに綺麗で、だけど仲間にみせる涙が熱くて、と思ったらハイタッチが実にクールで、この日で間違いなく私はあーやの魅力を真に受けた。阿部さんがいないのもあって、アイドルの要素を排除したスタイリッシュなフリは際立っていたと思う。あと田野ちゃんを生でみてしまうと黙る。「僕ジュリ」の間奏で腕を並行にくっつけて横移動するところがマイケルジャクソンみたいで、そんなふりあったっけ!と正直思った。田野ちゃんが踊ると別物になる。「竹内先輩」のサビの投げキッスの表現が人によって全然違って面白い。みゆぽんはキスになってないけど爽やか。鈴蘭はちょっと過剰だと思うけどそこは彼女の愛らしさ。いずりなは凄く内側をなぜてくるフリで緊迫感があってとてもよかった。旧4メン除いて若いメンバーは基本的に照れてるけれど、ひらりーはそのへん完璧だと思う。あとサイードとひらりーと鈴蘭の「愛しさのdefense」はすごいものをみたと言う感じだった。ひらりーはだいぶかっこいいね。


MCではあーやが「十夢とそこらへんで(女性シートあたり?)ご飯食べてたら、箱ティッシュごと持ってきてて」の口ぶりがなんか完全にツレだったことと、十夢ちゃんが重度の花粉症のため、ずっと鼻くしゅくしゅこすってたのとても愛らしかった。それから、みおりんがあーやのキャッチである「あーやロイドは好きですかー?」のヲタの反応について「みなさん困ってるみたいなんで」と気にかけて(笑)くれて、それに対してあーやが「笑ってくれると嬉しいです」と答えたところ。みおりんの促しで実演することになり客とメンバー(主にみおりん)がキャッチの後に渇いた笑いを挟みこむというやりとりが面白かった。みおりんは企画もできました。はなまるづくしです。


みおりんみゆちゃん仲俣鈴蘭は言わずもがな、いずりなが基幹メンバーなことは私の中で変わりなかったどころか益々思いを強めた。りっちゃん、田野ちゃん、あーや、みゆぽんにも感じた。その時感じた事としてここに。昇格が発表されてわりとすぐだったことや、なにより里香ちゃん最後の公演なことがあり、観たあとしばらくちょっとわけがわからず放心していたけど、ひさしぶりにみた公演はやっぱり楽しくて最高にきらきらしてた。私はチームの名目にこだわってた。今日の半分こチームに名前はつかないかもしれないけれど、かたまりとして今日の舞台が好きだった。チームの名前に囚われることないね。昇格組と研究生が混濁する10・11・12期に諭された。つくるものに魅かれるなら誰がいてもいなくてもその日をみつめようと思います。だから全員揃ったチーム4も今はまだ或る日のひとつ。それがやがてスペシャルな日になるのを楽しみにして。