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カミーユ・ボワテル「リメディア〜いま、ここで」@東京芸術劇場。

フランスには、サーカスはサーカスでも新しい形のサーカスとして、“ヌーヴォー・シルク”というジャンルが確立しているらしいことを、恥ずかしながら今日認識した。日本で有名なのはシルクドソレイユのみだけど、むこうには国立のサーカス学校(設立は1985年!)なんかもあって団体も複数存在し、ちゃんとアカデミックに成立しているらしい。



カミーユ・ボワテル「リメディア〜いま、ここで」@東京芸術劇場。
これはすごい。とにかく体感してほしい。


人間ピタゴラスイッチであり、鍛えぬいたドリフであり、映画「ファイナルディスティネーション」みたいな偶然のハラハラ感を一気に流し込まれる。頭で「どうなってる?」と考える間もなく、どこまでも目の前でおこる"事件"から目が離せなくなる。どこか嘘みたいなことが連続するので、子供の頃に中庭で秘密基地をつくったりしながら夢見た世界のような気がして、妙に懐かしさを覚える。

「こんな仕掛けがあったらいいのに…」
「このドアがどこか別の世界に繋がっていたら…」
「もしも浮くことができたら…」

たわいもない子供の妄想が「いま、ここで」!現実に!起こっている!それもふしぎな"ガラクタ"と人間の"カラダ"で、そんな世界を作り出せると証明してくる!


圧倒的に体を鍛えぬき、バランス感覚を研ぎ澄まさなければ成立しないコメディに、ただ興奮。雑音や叫びにも思えるようなもの、ちょっとした生活の音も、ドミノを倒していくような一連の絶えぬリズムになっているし、セリフもなく、演者同士の目配せもこちらからは見て取れないのに、完璧なシンクロが美しい。力の抜けるような重力のごちゃまぜで、常識をかき乱してくるドタバタ劇。そのすべてを包み込むどうしようもない哀愁。くすくす笑いがとまらないのに、さびしくもあって刺激的。終わってみると、頭の中や境遇からではなく、なんとなく"カラダ"を理由にどこにもいけない、と思っている自分に気付かされる。こんなことが本当にできる身体表現の無限の可能性に、ワクワクする気持ちがおさまらない。ふしぎな世界に少しの間入り込むことができて、愉快痛快。なんだか身体が軽くなった気もする。


そして公演価格は驚きの3000円です。お安すぎる。
明日5/6までですが、思い立った方は是非一度、体感してみてください。たぶん当日券もあります。おススメです。